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綾瀬市商工会館

綾瀬市商工会館/集会場+事務所

地域振興を目的としたイノベーションプレイス

[クライアントの要望]
デザインを実現した経緯とその成果

建物は旧綾瀬町役場跡地に計画されました。敷地には当時(昭和初期)の石垣(基壇)や階段が残され樹高10Mを超え大木となった楠や桜が生命力豊かに自生していました。これらの敷地状況を地域遺産と捉え保存利用・再生を主題とし構想をはじめました。樹木保存が開発条件の緑化基準を満たし、石垣の再利用が土木工事費削減に貢献することも目標としました。新会館の増設機能として、可動間仕切りによりフレキシブルに多様な空間利用を可能とする収容400人規模の大会議集会スペースを計画し、施設の核である「イノベーションプレイス」と位置づけました。諸条件により限られた建設平地に対し、上層階に大会議集会スペースを計画し1階上部に大きな箱状ボリュームが張出す特殊な構造計画としました。エントランスや階段室などの平面特性を立体的に扱い、箱状ボリュームに浮遊意識を持たせ保存構築物や樹木との空間対比により従来の施設にない再生した新たな場の印象をつくり出しました。
[設計視点]
旧綾瀬町役場の石垣や、楠や桜をはじめとする既存樹木を保存利用した点で建物が風景に馴染んでいるように感じます。スクラップ&ビルドを繰り返すのではなく、過去の時間軸上に我々の営みがあると考えることは、モノづくりにおいて、新しい時代の大切なテーマであると思います。今回は一歩下がった位置で建築計画の段階から保存利用という視点をもち設計させていただくことができました。解体や伐採とならなかった石垣や樹木が、ここからさらに長い年月を経て未来において存在価値を育むことができればと思うと同時に、綾瀬市商工会館で生まれた交流や学び、研究や開発など小さなイノベーションの積み重ねが価値を育み、地域産業の大きな活性へと繋がることを期待しています。
公共建築設計/集会場+事務所 /916.50㎡(277.24坪)/2020年/神奈川県綾瀬市
  • 綾瀬市商工会館正面/軽量化・耐久性をUPさせ省力的で安全な建築計画を実現

  • 綾瀬市商工会館/旧綾瀬町役場時代からの石積擁壁を保存利用したエントランス

  • 綾瀬市商工会館/エントランス下屋空間

  • 受付カウンター・ホワイエ

  • 2階大会議室/可動間仕切りによるフレキシブルな空間利用が可能

  • 2階大会議室(会議・集会スペース)ホワイエスペース

  • 大会議室天井高さを利用した3階書庫スペース

  • 駐車場サイドからの夜景/既存樹木保存(楠木)と共に

DATA

物件名 綾瀬市商工会館
用途 商工会館(会議・集会施設)
構造 集会場+事務所
敷地面積
建築面積
延床面積 916.50㎡(277.24坪)
計画地 神奈川県綾瀬市
竣工年 2020年
総工費(目安)※
≪※総工費は設計監理料と土地代、外構工事費を除いた目安金額となります。≫