［クライアントの要望］

ホームページからお問い合わせをいただきました。広い敷地をいかした庭を有効に使う点や、周辺の目を気にせず光や風を楽しみたいというご要望がありました。ＬＤＫでは、リモートワークスペースなどのご要望がありました。また、キッチンや室内設備機器の具体的なデザインイメージをお持ちでした。屋外空間は、弊社の事例を参照され、軒庇のある風景的な構成を希望されていました。

［設計視点］

敷地は、第一種住居地域である 住宅密集地の一角である旗竿地の計画でした。低層住居系の地域とは異なり、隣地建物との離隔距離は余りありません。南側は 特に1階レベルでの採光状況は十分ではなく、また 隣戸の窓などは明らかにプラバシーを保ちにくいイメージでした。このような敷地状況において、中庭型住宅の形式からアイデアのアプローチを行い提案させていただきました。南側は隣戸窓高さに近い構造壁で囲い、壁面に反射する光も考慮した採光装置のような中庭のイメージで計画しました。中庭はＤＫや玄関より直接アプローチできる構成とし、庇を設け、その下にテーブルと椅子の配置を可能にしました。中庭土間の仕上げは子供が走り回れるよう人工芝がご希望でした。１階は中庭を囲むように、リモートワークスペースを兼ねたダイニングキッチンと、吹抜けのあるリビング、２階は水廻りと個室の構成となっています。今回の工事ではウッドショックの影響もあり、着工時期やコスト調整などの点で多大なお時間をいただきました。現場打合せでは、空間イメージや仕上げイメージを共有いただき、スムーズに工事を進める事ができました。このような時期に、お仕事の機会をいただき大変感謝しております。