［クライアントの要望］

下層を親世帯,上層を子世帯とするイメージで限られた建坪でどのようなが二世帯住宅が実現可能かご提案依頼を受けました。計画が複層の鉄骨造となるイメージや付近の地盤データから杭が必要な点などご理解を頂いていました。

［設計視点］

建蔽率や容積率、高さ制限を検討し５層の鉄骨造として計画しました。建築面積は約11坪が最大で各階の面積も準じて決まってきます。居室の面積を確保するため世帯間のWCや収納を共有し集約する方法で各階の階段を折り返し形式とし階段踊り場に面しWCや収納を設けました。また各世帯は階段室を介しプライバシーを保てるよう工夫しました。各フロアは通路をもたない平面計画とし限られた面積に対し居住性を高めた計画となっています。室内仕上は無垢材（桐・胡桃・ポプラ）を使用し現代的でありながら、やわらかい印象のある空間としました。画一的になりがちな複層構造の平面計画に対し 外観は切妻屋根のシルエットをかたちづくり １つの家「住まい」という存在イメージに基づきデザインさせていただきました。三角屋根のシルエットが下町の情景に浮かび上がるイメージです。

当初他社で検討を進められていたところ、設計提案をさせていただき弊社案をご採用いただきました。スキップフロアの階段室と、通路をもたない5層の居住空間の特徴がクライアントのイメージと重なり実現したプロジェクトです。