2024.10.03
明治神宮ミュージアム
[森の感じ方 モノの感じ方 建築の在り方]
明治神宮ミュージアム(設計:隈研吾建築都市設計事務所)を訪問しました。建物は木々に隠れるように 深い軒庇しのある緩い傾斜勾配の屋根で構成され、展示室以外の通路は参道に面し奥まった深い森を木々の枝葉レベルで視覚的に感じ取れるように設計されていました。特に軒庇の薄さや、フレームレスなガラスのディテールが視覚的な効果を高め、無機質な素材の熱量(温度のようなもの)が、私は主役ではないと言っているようで設計意図を感じさせる部分でした。大きな東屋のようで 森を感じる建築という印象でした。
明治神宮の森は、全国のボランティアの手によって 生まれ、100年の短期間で原野のあった場所に深い森ができたと言われています。どうみても原生林のように見える森が、人の手により植えられたという背景がより魅力的なものに感じさせます。
計画の是非について議論を呼んだ明治神宮外苑の再開発は、記憶に新しく 自然と建築の在り方について考えさせられました。
ミュージアム見学を経て、経済合理性から開放された 特殊な価値を見いだせる唯一無二の空間について思いを巡らせていました。