令和3年4月撮影/二股の片方の枝は完全に枯れている
平成25年頃の写真(資料/海老名市教育委員会)
昭和30年頃の写真(資料/海老名市教育委員会)
580年間のメッセージ付バトン
[ケヤキの枝プロジェクト]
かつて街路樹や公園に、町のシンボルとして、多く見られた欅(ケヤキ)。現在は排気ガスや粉塵などの大気汚染がケヤキに及ぼす被害が深刻で、都心から郊外へとその影響が広がってきています。大気汚染に加え、気候変動(温暖化・多湿)、コンクリートやアスファルト舗装による土壌酸欠、建物の密集などによる風通しの悪化などで衰弱した大木が目につくようになってきました。神奈川県指定天然記念物である「海老名の大ケヤキ」(推定樹齢580年)にとっても近年この現象が顕著に表れるようになってきました。漁師が船をつなぐために打ったケヤキの杭が根付いて大木になったという伝説があります。この位置が相模湾の入り江であり、また相模国分寺参道や大山道に面し存在する点では、現在と過去の歴史的記憶をつなぐ場所となっています。
環境汚染に敏感な樹種特性において、ケヤキの生育=現代の環境指標と捉えることができます。また 580年という歳月は私たちの寿命より遥かに長く、地域環境や、そこで暮らした何世代もの人々から現代に受け渡された「メッセージ付のバトン」のようなものでもあります。
580年前 1本の杭からはじまった壮大なストーリーの続きとして、大ケヤキの遺伝子をもつ挿し木(苗木)の養育を通じ、生命や環境について意識を深め、順調な生育により、更なる続きのストーリーを育むことを目的として「ケヤキの枝プロジェクト」を計画しています。海老名市教育委員会・高座清掃施設組合の協力を得て、次年度会長を務めます海老名欅ロータリークラブの奉仕活動(ボランティア)として取り組むことを予定しています!